抹茶を簡単な作法で美味しく飲む方法。

 

 

茶游堂当主 林屋和成です。

 

今回は、簡単に美味しく抹茶を点てて飲む方法をご紹介したいと思います。

 

抹茶を飲む方法を言う前に、抹茶について少しだけ、、、

 

抹茶が一般消費者に普及しない原因

 

千利休が450年前に確立した茶の湯は、武家社会を中心に礼儀作法と精神修養もかねて茶道として現在に至るまで別世界の物として発展した。代表的には裏千家・表千家・藪の内家などがあり、作法はもとより服装、茶道具に至るまで特殊な物である一部の者だけが得る物となってしまった。消費者が家庭にて気楽に急須で淹れるお茶の様には普及出来ていない。また、愛知県名古屋や島根県松江の様にお抹茶を盛んに飲む地帯もあるが、今ではどこまで皆様がお抹茶を点てて飲んでおられるかは皆無であります。

 

私は茶道である茶の湯を否定も肯定しない。

 

本当に抹茶を美味しく召し上がるのに作法など全く必要が無いと思っています。昔からある茶道はある程度、知識としてまた作法も知っていて全く邪魔にはならず、目まぐるしく変わる社会の一員として大きくブレーキをかけ立ち止まり、古き良き優雅で洗礼された作法儀式を知ることで人間の深みが出てくるのではないかと思う。四季折々の茶花や掛け軸の書を読み使用する茶道具、素晴らしいロケーションと茶室に庭と知れば知る程茶道の妙味が分かって来るもではあるが、先にも書いた様に抹茶を美味しく飲むだけであれば全く作法など必要はないです。

 

それでは美味しく抹茶を点てて飲む方法を紹介します。

 

ここで書く抹茶の点て方は、茶道をしっかりされている方々にとっては邪道と思えるとは思いますが、あくまで美味しく点てて飲むための点て方です。

この点て方は、私が色々な点て方を試して辿り着いた点て方です。

① 点てる茶筅使用前は内側にカールしていますのでお湯に漬けて十分カール部分をのばして置く。(一応茶筅に代わる物が無いため百本立ぐらいの物を購入)

② 抹茶椀があれば抹茶椀。無ければ小ぶりの丼茶椀での良い。ティースプーンに軽く一杯の抹茶をすくう。

③ 抹茶椀の中央に入れる

④ いきなりお湯を入れるのではなくお猪口(おちょこ)一杯か二杯ぐらいの水を入れる。
(お濃茶の様にドロドロに液体を作る。)
ワンポイント:抹茶椀のふちを茶筅で回す様に茶をかき回す。(絶対泡立てない)

⑤ 約30~40回程茶筅で茶を回す。その時抹茶の塊が無いかも確かめます。掻きまぜていると茶に艶が出て来て練り上げている抹茶に大変良い香りがしてきたらOK。

⑥ お湯を入れてからも茶筅を上下に振って点てるのでは無くお茶を溢さない様にひたすら抹茶椀の内縁に茶筅をあわせて回す。真ん中に濃い部分が集まる様にする。
これも30~40回まわす。

⑦ その後しっかり茶筅を上下に振り点てる
その時あまり力入れて茶椀の底に押し当て過ぎない様にする。

泡だってからも最後にひたすら回すと画像の様に真ん中に泡が集まる。
ある程度、綺麗に寄った形になればOK

⑧ 完成です。

 

点て方の説明

① 水をいれて攪拌することでしっかり馴染ませ香りと味を引き出す。

② お湯を入れてから点てずに回すことで淹れたお湯の中に濃い部分と薄い部分の層が出来る。(その動作で味の変化を作りため)

③ しっかり上下に茶筅を振り点てることで均一に攪拌される。

④ 最後にまた混ぜるのは一口目、二口目、三口目とだんだん味が濃くなり、最後の半で飲み干す時に、その時使用した抹茶の命とも言える深みある香りと味を感じることが出来ます。飲み干した後の茶椀の残り香も最高です。

ぜひ、一度お試しくださいませ。

 

最後に、、、

 

抹茶を選ぶ時のポイント・保存方法(抹茶だけに限らず使えます)

  • 専門店で購入する場合その店で一番良く売れている商品を購入すること。

(その商品は必ずいつも新しくて新鮮な商品です。高ければ良いとは限りません。鮮度が一番なのです。)

  • 購入した抹茶を使用後の保存の仕方です。今は冷蔵庫が最も適した保存場所でしょう。缶をそのまま保存しますと冷蔵庫内の匂いをお茶が吸収してしまい、長時間保存した物は少し味が変化します。

(お茶は天然の脱臭効果があるため周りの匂いを吸いとってしまうためです)

  • ジップロックの袋に入れ、空気を十分出してから袋の口を占めてください。

缶入の場合購入した缶のままジップロック袋に入れてください。

 

以上、簡単な作法で抹茶を美味しく飲む方法の紹介でした。

 

 

濃茶

 

薄茶

 

 

 

ページ上部へ